「この本おもしろかったよ!」
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夢水清士郎シリーズ 3巻
(表紙は3巻目です)

夢水清志郎 シリーズ

はやみねかおる/作 村田四郎/絵
講談社(講談社青い鳥文庫)
素晴らしい事に1週間ちょっとで1巻目から最新刊の8巻目まで読破してしまったこのシリーズは児童書の文庫だ。児童書を大人が読んではいけないことはないし、帯に「大人もかくれて読んでいる」とうたっているので、ハマった人はいっぱいいるのだろう。もちろん、子供たちだってハマっている子がたくさんいるはずだ。幼い頃に、ハマるほど面白い本に出会うと、年を重ねても読書が嫌いになることはないのではないかと思う。

実際私も、小学3年生の頃、江戸川乱歩の名探偵明智小五郎シリーズを知り、卒業するまでに何度も何度も繰り返して借りて読んだ。名探偵夢水清志郎シリーズもできることなら子供の頃に読みたかった。そう、もっと純粋な頃にね。というのも、このシリーズはもともと子供が楽しむために書かれた読み物だと私は思うからだ。

著者のはやみねかおるさんの紹介の部分に「小学校の教師となり、クラスの本ぎらいの子どもたちを夢中にさせる本をさがすうちにみずから書きはじめる」とある。例えば、国語の教科書に載っていて、半ば無理矢理読まされた名作。今現在、面白いからと勧められても読む気にならなかったりする。例えば感想文を書かせるために、大人が選んだ本を子供に読ませる。本を読むというのは本来そういうものではないし、そんな事ばかり続けていたら、本嫌いの子供は増える一方だ。だからこそ、子供が夢中になって読める面白い本を作り出そうとした、はやみねさんの作品は支持されているのじゃないだろうか。

ひょうひょうとした夢水清志郎と好奇心旺盛な3人の女の子が、たくさんの事件を解決していくのだが、そこにはいつも幸せな結末が待っている。このシリーズの良さは、人が死なないこと。殺人事件がない。だから、事件はいつも幸せに解決する。

内容を事細かに説明すると種明かしになってしまうので、抽象的な紹介になってしまったが、このシリーズ、まず第一巻目から読んでほしい。最初から一つの謎が隠されているから…。(文:みなりん)