【一般】
ヒトと動物−野生動物・家畜・ペットを考える−
ヒトと動物−野生動物・家畜・ペットを考える−
林良博近藤誠司高槻成紀/著
四六判 並製 338頁 (本体2400円+税) ISBN4-931284-84-1 (2002.7)
本書は、日本の動物たちが人間とどのような関係にあるのか、将来の望ましい関係をいかに築くべきなのかを、人との密着性では生活をともにする家庭動物(ペット)、産業面での人との関わりでは産業動物(家畜)、生物保全での関わりでは野生動物と、人との関わり方によって動物を分類した三領域から、広く一般読者にも分かりやすく解説している。
 

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 当然のことながら、人と動物の係わりはそれぞれの国の文化、その民族と動物との係わりにおける歴史と深い関係がある。
 日本の食文化が世界的な問題として取り上げられているものの一つに、野生動物であるクジラを食べること、すなわち鯨肉食があるが、この問題を論ずる際にまず検証すべきは、対立の構造である。この国際的な対立は、捕鯨を推進したい日本やノルウェーと、それを阻止したい世界の大多数の国々であると考える人が多い。確かに国際捕鯨委員会(IWC)総会をみていると、そのように理解されても無理はないが、一五〇カ国以上が参加するワシントン条約会議(CITES)をみると、ほぼ半数が「ミンククジラの持続的利用」を認めている。アングロ・サクソン系の国々が中心となって、反捕鯨のキャンペーンを展開している四〇数カ国程度のIWCからしか情報を得ていないと、世界の真の対立構造が見えてこないのである。
………………………………(「捕鯨と日本」より)


■本書目次

はじめに
序章 日本の動物の現状と課題 (林良博/執筆)
  はじめに
  捕鯨と日本
  餌付けと野生動物
  狂牛病と産業動物
第一章 野生動物 (高槻成紀/執筆)
  はじめに
  日本の野生動物の現状
  シカという動物について
  五葉山のシカ
  シカとミヤコザサ
  野生動物と人間社会
第二章 家畜 (近藤誠司/執筆)
  はじめに
  食材としての家畜と日本人
  ニワトリ
  ブタ
  ウシ
  ウマ
  おわりに
第三章 ペット (林良博/執筆)
  はじめに
  家庭動物とは何か
  法律の世界の動物たち
  生命主義とペットブーム
  歴史的にみた家庭動物と日本人の係わり
  イヌとネコ
  ウマ
おわりに


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