【一般】
ヘザリー ラークライズ最終章
Heatherley
フローラ・トンプソン/著 石田 英子/訳
Flora Thompsonl
四六判 上製 284頁 (本体2400円+税) ISBN4-86085-153-8 (2026.9)
19世紀末、舞台はロンドン近郊ヘザリー村。ヘザリー村の郵便局で働くローラ。激動の時代に自分らしく生き抜いた著者フローラ・トンプソンの自伝的小説。『ラークライズ』から『キャンドルフォード』に続く最終章がここに完結。
経験を積むためにキャンドルフォードから都会に近いヘザリーの郵便局に勤め始めたローラ。都会近くにありながら、ヘザーの荒野が広がるその場所に一目で恋に落ちる。そして日々郵便局に訪れる人々との交流の中で、時に喜び、時にプライドを傷つけられ、涙するような日を過ごしながらも自分を見失わずに生きる。年上の個性的な友人たちや同世代の心通い合う友人と過ごす有意義な時間。ローラの目に映る戦争を挟む変化の大きな時代。そして村の人々との暮らしを等身大に描く。時代を超えて、人とは?女性の幸せとは?豊かさとはと問いかけてくる物語。
 

続編として書かれていたのにかかわらず著者の生前には刊行されなかった本書。本の中には実名では明かされていないが実在していた人々の存在がある。生前に刊行したくないと願ったのはそんな人々に対する配慮であったのではないだろうか? 平凡な一個人からみた時代の流れ。それらを知ることのできる小説の価値とは? 時代を記憶し、その時代の流れの中で感じる変化や感情を一人の女性の半生として描いた物語は時代が進んでも色褪せずに大きな存在であり続けている。歴史の教科書に載らない庶民の生活や感情もまた人間の歴史の一部である。だからこそ著者は小説に形を変えて書き残したのかもしれない。

●ラークライズ

●キャンドルフォード



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