【一般】
キリシタンと西洋音楽
キリシタンと西洋音楽
横田庄一郎/著
四六判 上製 472頁 (本体2400円+税) ISBN4-931284-60-4 (2000.9)
大航海時代という世界史的な背景があり、日本史では戦国時代から国内統一に向かう激動の歴史にヨーロッパの文明が絡んでいる、キリシタンの時代。

その後の日本の文化に重大な影響を与えつつも十分な研究がなされているとは言えないこの時代を描くことで、音楽とは何かと言うことを考える。音楽が単なる娯楽や慰めではなく、深く人間の内面に関わった様子が歴史の中から浮かび上がって来ないだろうか…。

また本書では音楽のみならず、宗教、政治、社会、そして今日の日本と日本人の在り方まで、豊富な資料で探る。


2000年度 ミュージック・ペンクラブ賞「最優秀著作出版物賞」受賞。
 

………………………………………………………
この時代を描くことによって、音楽とは何かということを考えてみたい。洋の東西を問わず、音楽とはいったい何なのか。人間と音楽、社会と音楽、宗教と音楽……。音楽という不思議な人間の営みが単なる娯楽や慰めでなく、深く人間の内面に関わった様子が歴史の中から浮かび上がって来ないものか。キリシタンの時代とともに探ってみたい。
………………………………(本文「はじめに」より)

■本書目次
はじめに
第一章 ザビエルの右手
 一 その名前と容貌
 二 八月十五日という日
 三 生けるがごとく
 四 宗教と音楽の導き
第二章 西洋音楽の始まり
 一 発祥の地論争
 二 少年聖歌隊の来日
 三 日本音楽との出会い
第三章 日欧音楽比較
 一 ヨーロッパ人の観察
 二 オルガンの歌とオルガン
 三 竹のパイプオルガン
第四章 少年たちの歌ごえ
 一 教会の音楽手ほどき
 二 イエスズ会の内部対立
 三 ヴァリニャーノの裁決
第五章 神学校の音楽教育
 一 教科としての音楽
 二 セミナリヨの時間表
 三 報告された教育活動
 四 コレジヨの学問
第六章 少年の音楽使節
 一 セミナリヨの成果
 二 ヨーロッパ音楽の旅
 三 ローマでの出来事
 四 少年たちの音楽対話
第七章 秀吉のアンコール
 一 原マルチノの演説
 二 最初の禁教令
 三 宣教師たちの通奏低音
 四 皇帝の歌
第八章 慶長十年のグレゴリオ聖歌
 一 南蛮ブーム
 二 印刷された楽譜
 三 聖俗ヨーロッパの確執
 四 キリスト教会の衰退
 五 十字架の歌
第九章 殉教する西洋音楽
 一 ミゲルと清左衛門
 二 ハビアンの場合
 三 日本人の宗教
 四 日本のエラスムス
 五 花開く日本音楽
第十章 四百年のオラショ
 一 日本の音楽文化
 二 「かくしごと」の祈り
 三 ぐるりよざ
おわりに
あとがき


【横田庄一郎の本】

「草枕」変奏曲  夏目漱石とグレン・グールド
漱石とグールド 8人の「草枕」協奏曲(横田庄一郎/編)
フルトヴェングラー幻の東京公演
第九「初めて」物語
西郷隆盛惜別譜

富永仲基の「楽律考」 儒教と音楽について
おわらの恋風

大久保利通の肖像 その生と死をめぐって


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