【一般】
西郷隆盛惜別譜
西郷隆盛 惜別譜
横田庄一郎/著
四六判 上製 349頁 (本体1900円+税) ISBN4-86085-015-7 (2004.3)
明治10年9月23日夜、城山に立籠もる西郷隆盛に対して、官軍軍楽隊は惜別の曲を演奏した。

“吾は官軍我敵ハ 天地容れざる朝敵ぞ 敵の大將たる者ハ 古今無雙の英雄で…”日本国内最後の武力衝突である西南戦争で幕末明治維新の2人の大立物 西郷と大久保は最後のたたかいに臨む。
 

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 日本史で最も敬愛されている人物といえば、まず、西郷隆盛に指を折らねばならない。東京の上野公園にある犬を連れた着流し姿の銅像−高村光雲による彫刻−は、観光の名所になっている。だから、日本人が「西郷さん」と敬称を付けて思い描くときに、そのイメージの原型はこの姿にあるといってもいい。
 たとえ、明治三十一年(一八九八年)十二月八日の除幕式で、初めて亡夫の銅像を見た未亡人糸子が驚きの声を漏らすほど違和感を抱いたとしても、である。
………………………………(「第一章 西郷と大久保と」より)


■本書目次

はじめに
第一章 西郷と大久保と
  一、敬天愛人と為政清明
  二、鮟鱇形とソップ形
  三、田原坂の分列行進曲
  四、薩摩士族と武村吉
  五、○○○○○とは
第二章 軍国日本の足元
  一、ヒーハフ オトトン
  二、「ナンバ」と揃い足
  三、茶ワン、ハシの号令
  四、京をかぎりの死出の旅
第三章 幻の大明神山
  一、十七夜の月明かり
  二、又煙火戯ヲ演ス
  三、官軍陣地ノ最高所
  四、武大明神のある岡
第四章 サツマ・バンド
  一、長崎の軍隊行進曲
  二、「維新マーチ」由来
  三、アルプス一万尺の謎
  四、選抜された伝習性
  五、陸海軍軍楽隊の発足
  六、江戸の洋楽事始め
  七、北京に乗り込む
第五章 城山レクイエム
  一、奏楽曲の手がかり
  二、オペラやワルツも
  三、モースが聴いていた
  四、見よ、勇者は帰る
  五、二人の葬送行進曲
おわりに


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